9/8 phew+高橋悠治@磔磔

phew高橋悠治、なんて心躍る組み合わせだろう。

 

事前に一部発表されていたブレヒトの歌曲を中心とする演目からすると、「水牛楽団」の延長のようなものになるのかなと思いながら会場へ(水牛楽団の音源は以下のURLで聴くことができる。http://nicoviewer.net/sm7302297)。

 

一曲目は意外にもマルグリット・デュラスの「インディア・ソング」。ジャンヌ・モローのドスがきいた低い声で歌われるこの曲、phewが歌うとどうなるのか…と思いきやさほど違和感がない。phewの生家は『インディア・ソング』の舞台、あのコロニアル建築のようなブルジョワ家庭だったのでは…と勝手に想像したりもする。

 

二曲目はブレヒト「自殺について」。この曲以降ブレヒトの歌曲が中心。原詩のまま歌うので曲を聴いているうちに日本語で詩の内容を追えるわけではない。しかし時折はさまれる日本語の曲(高橋悠治の曲?)と併せると、民衆の生活と抵抗をうたったものであろうことが了解される。

 

phewはエフェクトのかけ方が異なる3本のマイクを使い分けながら歌唱。高橋悠治はグランドピアノと足ふみオルガンとを曲によって使い分け。

 

印象に残ったのは、ドアーズの「ジ・エンド」。ジム・モリソンの激情的な叫びではなく、phewならではの醒めた、特異な抑揚の付いた歌声で歌われる。

 

phewのコンサートはbig picture@京都精華大学、five finger discountレコハツ@心斎橋クアトロ、phew+山本精一磔磔に次ぎ4回目。

高橋悠治のコンサートは高橋悠治+富山妙子@京都精華大学に次ぎ2回目。

 

それにしてもそのたびごとに特異な体験をさせてくれる人たちである。録音音源熱烈希望!

 

 

高橋悠治の風貌からいつもニホンザルを連想します。